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白内障について

原因と症状
1. 視力低下!? 白内障とは?
人の目は、よくカメラにたとえられますが、カメラのレンズに相当するのが水晶体です。水晶体は直径9mm、厚さ4mmの凸レンズの形をしていて、膜(嚢[のう])に包まれています。この膜の前面が「前嚢」、後面が「後嚢」と呼ばれています。
一方、水晶体の中身は、透明な組織でたんぱく質と水分から構成され、「皮質」と「核」にわかれています。

目の構造

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正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、さまざまな原因で水晶体の中身のたんぱく質が変性して、濁ってくることがあります。これが「白内障」です。
水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。
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2. 要因は、加齢によるもの
白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものであり、これを「加齢性白内障」と呼んでいます。個人差がありますが、誰でも年をとるにつれ、白内障は濁ってきます。加齢性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど多く発症します。 最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症が増えています。 その他、母親の体内で風疹に感染するなどが原因で生まれつき白内障になっているケースや、目のけがや薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。

白内障の種類と原因

白内障の種類 原因
加齢性白内障 加齢
全身疾患に合併する白内障 アトピー性皮膚炎、糖尿病 など
先天性白内障 風疹 など
外傷性白内障 目のけが など
併発白内障 ぶどう膜炎 など
その他 放射線、薬剤(ステロイド剤)
3. 「眼がかすむ」「まぶしく感じる」
白内障では目の中の水晶体が濁ることにより、視力が低下します。水晶体の濁り方は一人ひとり違うため、症状はさまざまです。
主な症状としては、「目がかすむ」といったものですが、次のような症状があれば白内障の疑いがあります。また、白内障だけでは痛みや充血はありません。
  • 1.かすんで見える
  • 2.まぶしくなる、明るいところで見えにくい
  • 3.一時的に近くが見えやすくなる、眼鏡が合わなくなる
  • 4.二重、三重に見える
○水晶体の濁り方と症状
水晶体の濁り方は一人ひとり違いますが、水晶体の周辺部(皮質)から濁りが始まることが多く、中心部(核)が透明であれば視力は低下しません。濁りが中心部に広がると、「まぶしくなる」「目がかすむ」ようになります。中心部(核)から濁り始めると、「一時的に近くが見えやすくなる」ことがあり、その後「目がかすむ」ようになります。
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治療と手術
4. 「薬」は進行を遅らせるだけ
日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬や飲み薬により、白内障の進行を遅らせます。これらの薬剤は、水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。
白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行ないます。白内障以外の病気がある場合は、手術方法を工夫したり、全身状態をみて手術の時期を決めます。手術を考えるときは、医師とよく相談しましょう。
※点眼薬の注意点
  1. ・点眼回数・量を守りましょう。
・容器の先が、まぶたやまつげに触れないようにしましょう。
こんな時は手術を考えましょう!
  • 1.視力が低下して、仕事に支障がある。
  • 2.外ではまぶしくて、極端に見えづらい。
  • 3.視力が0.7以下になって、運転免許の更新ができない。
5. ライフスタイルに合った手術を検討
白内障の手術を受ける前には、手術が問題なく行なえるかを調べ、目に合う眼内レンズを選ぶために、さまざまな検査を行ないます。眼内レンズは一ヶ所にピントが固定されているので、手術前に医師と相談して、自分のライフスタイルに合った度数を選んでもらうことが大切です。
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  • 視力、眼圧、屈折検査
  • 角膜形状検査
  • 眼底検査(網膜の状態を調べる)
  • 細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査(水晶体の濁りの状態を調べる)
  • 角膜内皮細胞検査(角膜の内皮細胞が減っていないかを調べる)
  • 眼軸長検査(眼内レンズの度数を決める)
  • 問診、血圧検査 など ※水晶体の濁りが進行している場合は、角膜の電気的検査、超音波検査なども行ないます。
6. 3〜4日入院、または日帰りも
手術の場合、術後の管理も含めて3〜4日間ほど入院します。患者さんの状態により日帰り手術も実践しています。日帰り手術にはいくつかの条件があります。日帰り手術を希望される方は、相談してください。

○ 入院手術の場合
片眼手術で3日、両眼手術で5日入院します。
通院する必要がない静かな病室でリラックスできる。家族がいなくて不安、問題が起きた場合すぐに診てもらえる。

○ 日帰り手術の場合
数日続けて通院しなければならない。
待ち時間が長い、周りの人とぶつからないようにするなどの危険性。いつもの環境の下で暮らせるので安心。
7. 手術という怖いイメージは薄い
現在、白内障の手術は主に、濁った白内障を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、人工のレンズ(眼内レンズ)を入れるという方法で行なわれています。白内障が進行して、核が固くなっている場合は、水晶体の核を丸ごと取り出すこともあります(水晶体嚢外摘出術)。
手術は局所麻酔で行なわれます。手術時間は目の状態により異なりますので、担当医師にお尋ねください。手術を受ける時は医師を信頼し、不安にならずに精神的安定を心掛けましょう。

超音波水晶体乳化吸引術

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8. 術後数日から1〜2週間でおちつく
手術直後は、目が充血することがあります。また、目がゴロゴロする、涙がでる、目がかすむなどの症状が出ることもありますが、これらの症状は、数日から1〜2週間で治ります。
手術後1〜3ヶ月は、手術で起きた炎症を抑え、感染を防ぐために、医師の指示どおりに点眼薬を使用します。
手術の翌日からでも、疲れない程度に目を使ってもかまいません。手術後の見え方で、色調の違和感やまぶしさを感じることがあります。色調の違和感は次第に慣れていきますが、まぶしさが続くようであれば、症状を緩和させるために色つきの眼鏡の使用をおすすめします。仕事への復帰は早い時期にできますが、患者さんの全身状態や仕事の種類などによって違ってくるので、医師に相談してください。手術後しばらくの間は、定期健診を受けましょう。
手術後の注意点
  • ○入浴や洗顔は一週間くらい避ける。
  • ○目を押したり、こすったりしない。
  • ○転ばない、ぶつけない。

眼内レンズには、ピントを合わせる調整力がないので、眼鏡が必要になります。手術後2週間〜2ヵ月頃には、視力が回復し安定してくるので、この時期に自分の視力に合った眼鏡をつくります。
○ 後発白内障のレーザー治療

白内障の手術後、数ヶ月〜数年して、また「まぶしくなる」「目がかすむ」ことがあります。これは、「後発白内障」といわれるもので、手術の際に残しておいた水晶体の後嚢が濁ってくるために起こります。

後発白内障は手術の必要がなく、レーザーを使って簡単に濁りを取ることができます。視力はすぐに回復し、入院の必要もありません。
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眼内レンズ(単焦点・多焦点)
眼内レンズ
9. 年間100万件が眼内レンズ
白内障とは、加齢等により水晶体が濁り、次第に見えにくくなる病気です。
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、その代わりに眼内レンズを入れる手術です。
白内障手術は進歩し、手術内の合併症や手術後の炎症の発生率も低くなり、現在では、国内で年間約100万件程行なわれ、多くの方が手術後の感激を味わっておられます。手術は小さな切開で眼内にレンズを入れることができ、短時間で終了します。手術当日の帰宅もできるほどです。
眼内レンズを入れた後の一定期間、まぶしさを感じたり、違和感があることがありますが、時間が経つにつれて次第に軽減されていきます。
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10. 「単」焦点眼内レンズとは
白内障手術に使用する眼内レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。単焦点眼内レンズはその名が表すとおり、1つの距離に焦点を合わせた眼内レンズのことです。単焦点眼内レンズを入れた後は白内障の濁りがなくなり非常に明るくなり見やすくなりますが、1つの焦点しか合わないため、手元の新聞も、遠くの看板も両方の距離がくっきり見えるという訳ではありません。
近く(手元の距離)に焦点を合わせた眼内レンズを入れた方は、運動をする時や、知らない町を歩く時には、遠距離用の眼鏡が必要となります。遠く(数メートル先)に焦点を合わせた方は、下の写真のように、遠方の値札はある程度読めますが、手元のメモを読む時に、近距離用の眼鏡が必要となることがあります。

単焦点眼内レンズの見え方

11. 「多」焦点眼内レンズとは
多焦点眼内レンズは、焦点を1つの距離のみに合わせる単焦点眼内レンズと異なり、遠距離、中間距離、近距離など複数に焦点が合います。

上の写真のように、近くのメモや、遠くの値札にも焦点が合うようになります。
多焦点眼内レンズは、若い頃のような見たいところに焦点を自由に合わせてくれる水晶体とは違うので、位置により見えにくい場所は、眼鏡が必要となることもあります。
また、細かい文字を読んだり、長時間読書をする時なども、眼鏡をかけた方が楽な場合もあるでしょう。それでも、単焦点眼内レンズを入れた後のように、見たいところや物の位置に合わせて、いくつもの眼鏡を使ったり、頻繁に眼鏡をかけたりはずしたりすることから開放されます。職業柄、眼鏡やコンタクトレンズの装用ができない方はもちろん、眼鏡をかける頻度や本数を減らしたい方には好ましいと言われています。欧米では、老眼矯正の選択肢として多焦点眼内レンズを入れる人もいます。

dd○ 遠距離視力が必要なスポーツやドライブ
○ 中間距離視力が必要なパソコン作業
○ 近距離視力が必要な読書
多焦点眼内レンズは、遠距離、中距離、近距離など複数に焦点を合わせられるよう設計されています。多焦点眼内レンズでの見え方に脳が慣れるには、年齢や個人間の差はありますが、一般に数ヶ月程度かかるといわれています。また、暗いところでは単焦点眼内レンズと比べ、くっきり感がやや落ちる可能性もあります。薄暗い場所や夜にライトなどを見ると、光の輪やまぶしさを感じることもありますので、特にレンズを入れた後の数ヶ月は、夜間の車の運転などには注意が必要です。
また、多焦点眼内レンズを選択される時は、両方の眼に多焦点眼内レンズを入れた方が、遠距離、中間距離、近距離においてよりよい見え方が期待できます。
・ 多焦点眼内レンズ 片眼350,000円(税込)
12. ライフスタイルに適した選択を
白内障手術と眼内レンズの技術の進歩により、見え方の質(Quality of Vision)は向上しました。そして、見え方の質を改善することで、パソコンでインターネットを楽しんだり、ゴルフやテニスなどのスポーツや料理などの趣味を楽しんだりすることができ、結果として、生活の質(Quality of Life)をもより高めてくれることでしょう。
白内障治療の方法は、個々の眼の状態によって慎重に決定されなければなりません。白内障手術が必要であると主治医に診断されたら、仕事や趣味のこと、一日の生活においてどこを見ることが一番多いかなど、あなたの希望を伝え、主治医とよく相談して、あなたの眼の状態や生活に適した眼内レンズを選択されることをおすすめします。

緑内障について

原因と症状
1. 「視神経」は弱ると元通りにならない
緑内障は40歳以上の方ですと、約20人に1人の割合でなってしまうといわれています。例えば、数十年ぶりに同窓会で級友と再会したとき、そのうちの1人は緑内障に掛かっていると思えば、「決して少なくない!」ということがおわかりいただけるでしょうか。
緑内障は視神経(見たものを脳に伝える神経)が弱って、物が見えにくくなってしまう病気です。しかし、他の病気と同じように、その初期には自覚症状がほとんどなく、病気に気づきません。しかも、いまのところ、視神経がいったん弱ると、元通りにすることはできないのです。ですから、「見にくさ」に気がついたときには、すでに病気はかなり進んでしまっていることも少なくありません。
そこで、緑内障の対策としては定期的に眼科医による検査を受け、早期に発見することが一番なのです。今は、検査や治療の方法もずいぶんと進んでいますので、早期に発見して、「手遅れ」を防げば、ふだん通りの生活を送っていくことが可能です。

○緑内障になりやすいのはこんな人
  • ・ 強度の近視がある人
  • ・ 遠視の人
  • ・ 親、兄弟に緑内障の人がいる
  • ・ もともと眼圧が高めの人
  • ・ 年齢が40歳以上
2. 視神経は、見たものを脳に伝える役割
普段、ものを見るときに意識されますか? 何も意識しないことがほとんどだと思います。
それでは、私たちはどうやってものを見ているのでしょうか? 私たちの目をカメラのレンズに例えてお話します。
まず、レンズ(角膜と水晶体)を通って入ってきた光(画像)に、ピント(毛様体と水晶体)を合わせて、フィルム(網膜)に画像を映し出します。その画像が、視神経(脳に見たものを伝える)を伝わって脳へ送られると、私たちは「ものを見た」と感じるわけです。
3. 急に見えにくくなる訳ではない
視神経はもともと、眼圧の間に微妙なバランスを保ちながら働いています。このバランスが崩れてしまうと、視神経のもととなる約100万本の視神経繊維が少しずつ消耗していきます。そうすると、視神経からの画像情報が脳に伝わらなくなるため、視野(見える範囲)が狭くなったり、欠けてきたりします。これは視野障害と呼ばれています。
視神経乳頭は視神経の脳への入口です。視神経が弱ってくると、視神経乳頭の中央で元来、少しへこんでいる部分(陥凹[かんおう])が広がる乳頭陥凹拡大と呼ばれる変化が目立ってきます。
※ 視神経が弱っているかどうかは、眼の奥に光を入れて眼底検査を行い、視神経乳頭を観察することで早期発見が可能です。
4. 「見えにくい」「暗く感じる」なら検査を
視野障害は、始めは視野の中心からではなく、中心より鼻側の部分や、中心からやや上の部分から始まることが多いのです。しかも、見えないことをよく「暗黒の世界」というような表現をするのですが、見えにくい部分は黒く見えるわけではないので、視野障害の初期にはこれに気づくことはほとんどありません。
病気が進行して、見えにくい部分が広がってきても、自覚症状は「そういえば少し、暗っぽい」、「夜、運転していると少し見えにくい」程度に留まります。しかも、これらの変化は10年以上かけてゆっくりと進んでくることがほとんどです。このため、見えにくさを自覚するのは、視野の中心部分が欠けてきて、視力も落ちてくる末期になってからになってしまうのです。そこで、視野障害の発見のためには、定期的に視野検査を受けるしかありません。この検査は集中力が必要で、多少時間がかかります。
また、時々、視野が欠けているかどうかを自分でチェックして、早期発見の参考にしてください。ただし、自己チェックはあくまでも、キッカケとして考えてください。緑内障は、とにかく「早期発見」「早期治療」することが、なによりも肝心です!

●視野を調べる自己チェック法
  • 1. 砂嵐になっているテレビ画面(ザァーッとなっている画面)の中央に、直径1〜2cmの丸いシールを貼ってください。
  • 2. 画面から30cm〜1mほど離れて、そのシールを片眼ずつ交互に約3秒間見つめてください。
  • 3. 見ている最中に、画面上の一部が欠けていたり、見え方のおかしなところがあるかを確認してください。
※ この方法は、あくまでも早期発見のための参考です。心配のある方は、必ず眼科医で診察を受けるようにしてください。
治療と手術
5. 「眼圧を下げる」ことが基本治療
緑内障は、眼圧が高くなることが原因で、見たものを脳に伝える神経(視神経)が圧迫され弱ってしまい、ものが見えにくくなってくる病気です。病気の軽いうちは自覚症状がほとんどないので、知らないうちに病気が進行していて、気がついたときには、ものの見える範囲(視野)が、かなり狭くなっていることが多い病気です。そのまま放っておくと、最悪の場合、失明してしまうことになります。
残念ながら、一度、弱ってしまった視神経を、元に戻すことはできません。でも、早期に発見して、適切な治療を受ければ、病気の進行を食い止めることができます。緑内障の治療の基本は、その眼にとって高くなってしまった眼圧を適切な程度まで下げることです。

○タイプは2つ 「急性」と「慢性」
緑内障の治療法は、緑内障のタイプや進行具合によって違ってきますが、治療の基本は高くなった眼圧を下げることにあります。
緑内障は大きく分けると、「急性」と「慢性」の2つのタイプがあります。急性の緑内障の場合、一刻も早く眼圧を下げないと、失明する危険が高いので、レーザー治療や手術による治療を行ないます。でも、ほとんどの患者さんは慢性の緑内障ですので、まず点眼薬(目薬)で眼圧を下げる治療をします。
もし、薬がなかなか効かず、眼圧が下がらない場合は、「慢性」のタイプであっても、レーザー治療や手術をすることもあります。
6. 白内障と違い「進行を止めるだけ」
緑内障の治療は、まず点眼薬(目薬)から始めますが、薬では十分に眼圧が下がらない場合があります。その場合には、レーザー治療や手術で、房水[ぼうすい](眼に栄養を運ぶ透明な液体)の流れをよくしてやり、眼圧を下げ、これ以上緑内障を進行させないようにします。普通、眼圧が高いほど視野の狭くなるスピードが早くなりますので、より早い時期に手術が必要となります。白内障と違い、緑内障は手術をしても視野や視力が改善することはありませんので、手術の時期を逃さないことが、あなたの眼を失明から救うカギとなります。
また、診断された緑内障のタイプによっては、眼圧が高くなくても早い時期に、あるいは予防的にレーザー治療が必要なこともあります。医師から十分な説明を受けて、理解したうえで手術を受けることが大切です。
7. あなたに合った治療と手術を
緑内障とひとくちにいっても、その原因はさまざまなように、眼圧の下がりやすさも患者さんによって違ってきます。ですから、それぞれの患者さんにあった治療法を選んで治療を行ないます。
●点眼薬と飲み薬
●レーザー治療・手術

●点眼薬と飲み薬
眼圧の上がっている患者さんでは、最初は点眼薬(目薬)から治療を始めます。まず、1種類の薬で様子をみながら、症状によっては、途中で薬を変えたり、追加したりして、2〜3種類の薬を併用することもあります。点眼薬で、目標とする眼圧まで下がらない場合は、さらに飲み薬を追加したりします。
眼圧が高くなくても緑内障(正常眼圧緑内障と言います)と診断された患者さんは、視神経が弱いため、多くの人にとって普通とされている眼圧にも耐えられない方です。そのため、眼圧の高い緑内障の人と同じように、さらに眼圧を下げるよう、点眼薬から治療を始めます。しかし、視神経の循環障害も関与していると考えられるため、血液の循環や視神経の働きをよくするために、ビタミン剤や血行促進薬の飲み薬をお勧めする場合もあります。
眼球の形や硬さは、眼球の中の水(房水)の量で決まります。房水は、眼球の中でつくられる一方、常に眼球の外へ流出しています。この働きのバランスがくずれると、眼球内の房水の量が増え、眼圧が上がります。緑内障の治療の基本は「眼圧を下げる」ことですから、この房水の量をコントロールすることが治療の原則です。
点眼薬には2つのタイプがあります。ひとつは房水がつくられるのを抑える薬(β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬)で、もうひとつは房水の流出をよくする薬(プロスタグランジン製剤、副交感神経刺激薬、α1遮断薬)です。点眼薬は、多くは「遮光・室温保存」ですが、「冷所保存」のものもあります。冷所保存であっても、開封後使い切る期間内なら、外出、旅行時は室温にさらされても大きな問題にはなりません。ただ、直射日光が当たらないようにだけ気をつけてください。
点眼するときは、決められた回数と量を守ることが重要です。点眼後は、薬が眼に十分にいきわたるよう、眼を閉じて、目頭を軽くおさえます。2つ以上の薬を点眼するときは、5分以上間隔をあけるようにしましょう。
薬に副作用はつきものです。もし、眼や体に異常を感じたら、すぐに医師に相談してください。また、眼以外の病気をもっている人、とくに心臓や喘息などの病気をもっている人や、ほかに薬を飲んでいる人は、治療を始める前に、医師に必ずそのことを伝えてください。なお、個別の薬については、医師と相談ください。
眼圧は、いったん治療で下がったとしても、治療を途中でやめてしまうと、また上がってしまうので、油断はできません。ですから、治療はしっかりと続けていくことになります。だからといって、「失明するかも…」などとあまり心配せず、リラックスした気持ちで毎日を過ごしましょう。定期的に検査を受けて、治療を続ければ、視野と視力は十分保っていけます。点眼薬をさすことを生活の一部として取り入れて、緑内障と仲良くおつきあいしていきましょう。

●レーザー治療と手術
緑内障はずっとお付き合いしていく病気ですから、長い目でみて治療を考えることが重要です。もし、薬でどうしても眼圧が下がらない場合には、レーザー治療や手術が必要となります。
レーザー治療は、比較的短時間で行なうことができ、眼への負担は最小限で、痛みもわずかです。
一方、手術は、眼球にメスを入れるので、目への負担は大きく、落ちつくまで時間がかかります。手術後の経過は個人差がやや大きいですが、薬やレーザー治療では得られない効果が期待できます。
手術は怖いという印象をもつ患者さんがいるかもしれませんが、手術をためらっているうちに、緑内障を悪化させると、後で手術をしても回復しませんので、よいことではありません。最近の手術は高精度になり、患者さんへの負担も少なくなってきています。
医師とよく相談し、手術することの利点と欠点を考えた上で、患者さんそれぞれにあった方法を選ぶことが大切です。
○レーザー治療について
レーザー治療では、メスの代わりにレーザー光線(光凝固)を使うため、術後安静にする必要はなく、外来で行なえます。治療の方法は大きくわけて2つあります。
(1)主に開放隅角[ぐうかく]緑内障に対して
(2)主に閉塞隅角緑内障に対して用います。
(1) レーザー線維柱帯[せんいちゅうたい]形成術(隅角光凝固術)は、レーザー光線で目詰まりをおこしている、房水の出口であるフィルター(線維柱帯)の網目を広げて、房水を流れやすくするというものです。房水の流れがよくなれば、眼圧は下がります。

(2) レーザー虹彩[こうさい]切開術(虹彩光凝固術)は、レーザー光線で虹彩(黒目)の端に小さい穴をあけ、房水が後房より前房によく流れるようにバイパスを作ります。房水の流れがよくなれば、眼圧は下がります。

緑内障のタイプとその症状の時期により、(1)または(2)どちらのレーザー治療が必要となるかが違いますので、医師とよくご相談ください。
○手術について
手術は緑内障治療の中で重要な位置をしめています。高い眼圧が続くときには、以下のような眼圧を下げる手術が必要になります。
(1) 房水を外に出す手術(濾過手術)
濾過手術は普通、線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)が行なわれますが、房水を眼の外に流す新しい道を作って眼圧を下げる手術です。効果を長く維持するため、手術のときに細胞の増殖を抑える薬を使用することもあります。
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(2)房水の流れをよくする手術(房水流出路手術)
房水の流れの悪い線維柱帯を手術で切開し、眼圧を下げる手術です。線維柱帯切開術(トラベクロトミー)などがあります。また、閉塞した隅角をもとに戻す隅角癒着解離術もあります。
(3) 房水が作られるのを抑える手術(毛様体破壊手術)
房水を作る毛様体を壊すことで、眼圧を下げる手術です。
(4) その他の手術
ビスコカナロストミー、深層強膜切除術、カナリゼーション、シヌソトミーなどがあり、(1)と(2)を併せ持つ手術と考えられています。
最近の手術は大変精密になり、成功率もよくなっていますが、病状や経過によっては、手術直後あるいは数週間から数年後に追加手術が必要になることもあります。ただ、いずれの手術でも視野や視力がよくなることはありません。

※手術後に気をつけること
緑内障手術は眼圧を下げる手術で、水晶体を交換する白内障手術より、落ちつくのに長い期間がかかります。
手術後には一時的に眼圧が不安定になったり、炎症がおこったりする場合や、一時的な視力の低下、手術部分の痛みや不快感などがありますが、薬(点眼薬や飲み薬)を使って、医師の指示を守れば、しばらくするとおさまります。
もっとも重要な点は、手術した眼が不潔にならないようにすることです。目を強くこすったり、汚い手で触ったりしないなどの注意が必要です。もし、急にものが見えなくなる、ひどく充血する、目やにが増える、眼が痛いなど、眼に異常を感じたら、すぐに眼科で診てもらってください。
レーザー治療や手術で眼圧がある程度下がったからといって、それで治療が終わったわけではありません。定期的に眼科に受診し、検査(視力・眼圧・視野など)と診察を受けて緑内障が進行していないかを確認し、必要な点眼薬をさし続けていくことが、治療の成功、すなわちあなたの眼を失明から救うカギとなります。
日常生活の送り方
8. ずっとうまくつきあう
緑内障の治療は、ずっと続けなくてはいけません。しかし、「ずっとつきあう病気」だからといって、心配しすぎたり、不安になりすぎたりするようなことがあっては、かえって、余計なストレスとなってしまいます。病気にふりまわされるのではなく、病気をコントロールするというように、気持ちを切り替えましょう。
緑内障とうまくつきあうには、まず、自分の症状を正しく理解することが大切です。つぎに、病気がそれ以上進行しないように、点眼薬(目薬)や飲み薬を忘れないようにしてください。そして、定期的に検査を受けて、症状が安定しているのか、それとも進行しているのかを確認しましょう。
9. 症状を理解することが第一歩
「緑内障」の治療の目的は、視力や視野を保つことです。初期に発見し、治療すれば、決して失明することはないのですが、病気の進行具合は緑内障のタイプや、いつ治療を開始したかによって異なります。自分の症状を正しく理解することが治療成功の第一歩といえます。

あなたは以下の質問に答えられますか?
  • (1) あなたは開放隅角緑内障ですか、それとも閉塞隅角緑内障ですか?
  • (2) 眼圧が高い緑内障ですか、それとも眼圧が正常範囲の緑内障ですか?
  • (3) 右目と左目の視力は、それぞれどのくらいありますか?
  • (4) 右目の視野はどのくらい狭くなっていますか? 左目はどうですか?
  • (5) 右目の視神経の状態はどうですか? 弱っているのでしょうか? 左目はどうですか?
  • (6) 左右の眼圧はどのくらいか知っていますか?
  • (7) 最近3年間で見える範囲は狭くなっていますか?
10. 点眼薬・飲み薬とともに
緑内障の治療の基本は、眼圧を適切な程度まで下げることです。点眼薬による治療が中心となりますが、いかに医師の指示どおりに薬を使用するかが、重要なポイントとなってきます。
たいていの医師は、あなたが指示どおりに、点眼薬をさしたり、薬を飲んだりしていると信じています。もし、眼圧のコントロールがうまくいかないときは、医師は薬の効果が不十分であると判断して、薬を変えたり、薬を増やしたりします。これは、あなたにとって良いこととはいえません。薬を忘れたときは正直にお話しください。薬を忘れやすいのであれば、たとえば1日1回の薬なら朝食後、1日2回の薬なら朝夕の食後というように、自分の生活習慣と結びつけるといいでしょう。
薬を正しく使っているのに、眼に異常を感じたり、身体に何か変化がおこったら、すぐに医師に相談してください。
11. 日常生活で気をつけること
日常生活で「してはいけないこと」はとくにありませんが、気をつけていただきたいことはいくつかあります。
  • えりやカラーのきつすぎる衣類は眼圧を上昇させることがあります。
  • 一気に1リットルの水分を摂取すると眼圧が上がることもありますが、1回につきコップで1、2杯飲む程度なら大丈夫です。
  • コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインも眼圧を上げるとされていますが、日常で飲む範囲内なら問題ありません。適度のアルコールも大丈夫です。
  • タバコは視神経乳頭の血液循環が低下するので、ひかえてください。
反対に、適度な運動は眼圧を下げるといわれています。
もし、他の病気にかかったり、ほかの病気で通院内の人は、必ず緑内障の治療中であることを医師に伝えてください。
12. 定期検査で悪化させない
薬やレーザー、手術などの治療を受けて眼圧がある程度下がったとしても、それだけでは治療が成功したとはいえません。症状が進行していないことが確認できてこそ、治療がうまくいっているといえます。症状が進行しても気づかないことが多いので、定期的に眼圧、視野、眼底などの検査を受けてください。
検査の結果や、治療の経過をみて、点眼薬の種類が変わったり、使う薬が増えたりと、その時その時にあった治療が行なわれます。
「定期的な検査」と「適切な治療」の2つを守っていれば、多くの患者さんは、視力や視野を長期に保つことができ、日常生活に支障をきたすことはありません。
もし検査の結果や治療の内容に疑問や不安があったら、遠慮なく医師にご相談ください。